局所冷却療法について

 当院で痛みを除去する方法の1つとして、炎症性疾患に対して局所冷却療法を 用いています。これは痛みの原因である傷病部位の炎症という鬱熱(うつねつ) を物理的に除去する事より、より早い回復を望むものです。
 また当院では、安全で効果的な氷を冷却媒体として用いており、これは生理的 0℃という凍結にまつわる障害のない温度に管理されています。

効果

  1. 物理的な局所の鬱熱の除去(骨折、脱臼、捻挫、打撲に有効)
  2. 免疫系の疾患の至適温条件を崩すことで炎症の波及効果を食い止め、 細胞組織の持つ活性力を抑制する。(関節リウマチ等に効果的)
  3. 細胞組織の活性化から起こる病的増殖反応を押さえることで、細胞組織の修復のための環境づくりをする。(潰瘍、腫瘍等に有効)

 低温状態では、体液、組織液、臓器とともに低浸透圧化し、相対的に等圧化が測られることにより、 脈管係からの栄養成分の補給は効果的には十分に機能しており、臓器の生活機能は順調に発揮されることになる。 これらのことにより内臓疾患に対する生理的局所冷却療法の道が開かれ、近年では整形外科の分野だけでなく、 内科においても、その安全性、有効性が認められつつある。

注意

  1. 当院では、冷却部位は体表面の約10%に限定していますので、冷却による感冒(かぜ)発生はありません。
  2. 明け方に薄着で寝冷えをする、冷たい川で長時間泳ぐ、冷房の効いた部屋に長時間いて身体が冷えたとか、全身を冷やしてしまうことは体温そのものを低下させてしまうもので あり、体温調性機能の失調をまねいてしまうことになる。全身冷却は冷却療法にはなりえません。

治療例